鼓膜再生治療
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鼓膜再生の治療について
鼓膜穿孔(こまくせんこう)
鼓膜穿孔とは鼓膜が破れた状態のことをいいます。慢性中耳炎や鼓膜の外傷などによって生じ、難聴、耳の閉塞感、耳だれ(耳漏)などを引き起こします。穿孔を放置すると外から細菌が侵入し感染を生じて穿孔が拡大したり難聴が増悪することがあります。
小さな穿孔は自然に閉鎖することがありますが、鼓膜の穿孔期間、穿孔状態などから自然閉鎖が見込まれない場合には、鼓膜の穿孔を閉鎖する手術を行います。当院では、鼓膜再生のために新規開発された素材(リティンパⓇ)を用いた鼓膜穿孔閉鎖術を行っています。
リティンパⓇによる鼓膜穿孔閉鎖術(鼓膜再生の治療)
リティンパⓇは傷の治癒を促す薬剤をしみこませたスポンジのような素材で、2019年12月から世界に先駆けて日本で使用開始されました。リティンパⓇによる鼓膜再生の治療は、従来の手術と比べて皮膚を切開する必要がなく、局所麻酔による短時間の日帰り手術で行えるので、患者さんの負担を大きく軽減することができます。
手術による閉鎖率は従来の方法と遜色ありません。また、手術には健康保険が適用されます。
経過観察のため、後日ご来院が必要です。
手術は外来で行います。手術時間は30分程度です。
手術の対象となるのは、鼓膜穿孔の全体が確実に見え、鼓膜より奥の状態が良好な方になります。鼓膜穿孔の位置や状態、耳の穴の形態によってはリティンパⓇによる鼓膜再生の治療が適応とならないことがあり、その場合は従来通りの手術を検討することがあります。